WEBデザイナーの仕事
WEBDESIGNER'S WORK
発注者が知っておきたい!
WEBデザイン外注のコツ
WEBデザインを依頼する前に
「自社のコーポレートサイトやサービスサイトなどのWEBデザインを外注したいけど、どんな手順を踏めばいいのかわからない」と悩んでいませんか?スムーズな発注とトラブル回避のために重要なのは下準備です。はじめに、下記の手順で依頼の要件をまとめておきましょう。
1目的とターゲットを決める
一口にWEB制作と言っても、「集客」や「採用」、「ブランディング」など、人や会社によって得意分野は異なります。サイトを作る目的を明確にすることで、依頼先が絞り込みやすくなるでしょう。
そこでまずは、どんなターゲットに向けて発信するのかを明確にしておく必要があります。ターゲットはペルソナ化し、人物像まで具体的に掘り下げることで、サイトの目的がはっきりと見え、依頼先との共有がスムーズになるでしょう。
また、実際に制作を担当するWEBデザイナーと目的を共有することで、デザインや設計のイメージが固まりやすくなります。「外注したらイメージしていたデザインとかけ離れてしまった」というトラブルを避けるためにも、最初の段階でしっかりと目的を共有しておきましょう。
2目標数値を設定する
サイトの目標を具体的な数値で設定しましょう。「半年で50件の問い合わせを獲得」「3ヵ月で求職者5名とマッチング」など、目標を数値化することで、依頼先がゴールを共有しやすくなります。
3スケジュールを立てる
大まかな制作スケジュールを立てましょう。制作会社やデザイナーの選定には、余裕を持って1ヵ月ほどの時間が必要です。最終的な公開日を定め、制作のスタートを逆算すると良いでしょう。また、発注日のスケジュールを決める場合は、年度末や連休など、依頼先のリソースが埋まりやすい時期を見通しておくことが大切です。
4予算を決定する
制作会社やデザイナーに問い合わせを行う際、予算を伝えることで「できること」「できないこと」が明確になり、打ち合わせがスムーズに進みます。確定することができない場合は、予算の上限を伝え、複数パターンの見積もりを出してもらうとよいでしょう。
5RFP(提案依頼書)を作成する
RFPとは、サイト制作やシステム開発を外部に依頼する際、発注者が依頼先に共有する要件定義の資料を指します。これまで決定した、「目的・ターゲット」「目標数値」「スケジュール」「予算」などのほか、「具体的なシステムや機能」、「運用・管理などの要望」などを明文化しておきましょう。
RFPは、依頼先が具体的な提案を行う上で役に立つだけでなく、口頭でのやりとりによる依頼先とのすれ違いを防ぎます。また、自社内でのプロジェクト管理・共有にも有用なので、依頼先の選定をスタートする前に作成し、チームで共有しておくことをおすすめします。
RFPでまとめておきたい内容
- サイトの目的とターゲット
- 目標数値
- スケジュールと納期
- レスポンシブ対応の要否
- SEO対応の要否
- 予算
- システムや機能の詳細
- 運用・管理に関する要望
- サーバーの指定
- 納品形式
6契約書を準備する
依頼先が決定した際、スムーズに仕事が進められるよう、あらかじめ契約内容をまとめた契約書を作成しておくと良いでしょう。後々のトラブルを防ぐため、以下の点は必ず契約内容に明記しておきましょう。
契約書にまとめておきたい内容
- 制作したサイトの所有権
- サーバー・ドメインの所有権
- サイトの利用範囲
- 二次利用に関して
- 提案回数と料金
- 修正回数と料金
- 納期
発注先の選択肢と予算
サイト制作の選択肢には、大きく分けて、クラウドソーシングなどを経由したフリーランスへの依頼とWEB制作会社への依頼の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットと予算の相場を知っておきましょう。
フリーランス
クラウドソーシングサービスなどを通し、個人で活動するWEBデザイナーやWEBエンジニアに依頼する方法が一般的です。
個人に依頼するため、依頼の自由度が高く、スケジュールや予算にも柔軟に対応してもらえる点がメリットと言えます。一方、個人によって対応範囲やスキルにばらつきがあるため、ワンストップでの依頼が難しい、クオリティの保証が得られないなどのデメリットもあります。
メリット | 依頼の自由度が高い/スケジュールや予算を交渉しやすい |
---|---|
デメリット | 依頼範囲やスキルにばらつきがある/クオリティに当たり外れがある |
WEB制作会社
WEB制作会社には、テンプレートを利用して安く作成する制作会社と、0からデザイン・機能を相談できるオーダーメイドの制作会社の2種類があります。
自社の強みを押し出したサイトをつくりたい場合や、サイトの企画から実制作、公開、解析、運用・保守まで、一貫して依頼したい場合は、オーダーメイドタイプのWEB制作会社がおすすめです。
オーダーメイドタイプの場合、一般的には窓口となる営業担当者が自社の要望をヒアリングし、予算に応じて必要な工程や工数を提案してくれます。フリーランスへ依頼した場合は個人のスキルやスケジュールに依存しますが、制作会社の場合は一定のクオリティとスケジュール通りの納品が確約できるのがメリットです。一方、デメリットにはフリーランスへの依頼よりも制作費用が高くなる点があげられます。
メリット | 企画から運営・保守までワンストップで依頼できる/提案力がある/クオリティが約束されている/スケジュールが確約できる |
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デメリット | 一定額以上の予算が必要 |
WEBデザイン依頼時のポイント
WEB制作会社に依頼する場合、デザインに必要な素材や情報は一般的に営業担当者を通してやりとりすることになるでしょう。一方でフリーランスに依頼した場合など、デザイナーと直接やり取りをする必要がある際は、こちらからあらかじめ素材や情報を提供する必要があります。「使ってほしい素材が使われていなかった」「画像のサイズがイメージと違う」などのすれ違いを避けるため、デザインに関する指定を明確にし、わかりやすくまとめておきましょう。
デザイン依頼時にまとめておきたい情報
1
指定素材
画像やテキスト、会社ロゴなど、使ってほしい素材をまとめておきます。画像データは解像度の高いものを支給しましょう。
2
画像のサイズ・解像度
ディスプレイでの表示サイズと解像度を明確に指定し、完成時に「イメージと違う」などのトラブルが起きることを避けましょう。
3
コーポレートカラー・
トンマナ
パンフレットなど、他の制作物を共有し、会社のイメージカラーやトンマナを伝えておくことで、一貫性を持たせましょう。
WEB制作の流れを知る
WEB制作を外注する場合は、2つのフェーズを想定する必要があります。ひとつは、発注先を選定し発注するまでの「選定・発注フェーズ」、もうひとつは、制作を進行する「制作フェーズ」です。「選定・発注フェーズ」は2週間〜1ヵ月、「制作フェーズ」の場合は2〜3ヵ月の期間を目安にスケジュールを立てるとよいでしょう。それぞれのフェーズで行う工程は下記を参考にしてください。
選定・発注フェーズ
1
問い合わせ・
見積もり依頼
発注先の候補をピックアップし、「問い合わせ」ページから見積もりを依頼して比較検討しましょう。その際、事前に作成したRFPを共有すると見積もりがスムーズになります。
2
ヒアリング
依頼先が絞り込めたら、オンラインや対面で実際に会話しながら内容を詰めていきます。ヒアリング段階で不信感を感じた場合、契約前に依頼先を再検討しましょう。
3
提案内容の確認
設計イメージやページ数、コンテンツのボリュームなどを具体的に提案してもらい、正式な見積もりを確認します。内容に問題がなければ契約を進めましょう。
制作フェーズ
2
デザイン制作
①の構成をもとにデザイン作業に入ります。発注者は完成したデザインの確認を行い、調整すべき箇所を洗い出してデザイナーにブラッシュアップを依頼します。
3
開発・コーディング
デザイン決定後、開発に進みます。発注者はこの段階までに原稿や問い合わせ番号などの情報をとりまとめておき、ドメインやサーバー情報とともに発注先に共有しましょう。
4
テスト・公開
テキストの誤字・脱字や、表示エラー、リンク先、メールの送受信などをチェックし、WEBサイトに問題がないか検収作業を行います。問題がなければサイト公開に進み、納品とします。